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インテリジェンスとインフォメーションの違い

部分的に表現を修正・追記しました。青字で表記しています。(2014.12.31)

日本語では、インテリジェンス(intelligence)とインフォメーション(information)の違いは曖昧ですが、
両者には本来、明確な違いがあります。(※1)
この分野の代表的な入門書である、北岡元著『インテリジェンス入門』等をもとに簡単に解説します。

インテリジェンスとインフォメーションの違いという観点から考察した場合、
インテリジェンスには2つの特徴があります。(※2)

◎インテリジェンスとは、「インフォメーションを収集・分析した結果としてのプロダクト」のことを指します。
◎インテリジェンスとは、「判断・行動するために必要な知識」のことを指します。

「プロダクト(product)」とは生産物という意味です。
では、インフォメーションとは何でしょうか?

◎インフォメーションとは、「(インテリジェンスのもとになる)あらゆる種類のマテリアル」のことを指します。(※3)

「マテリアル(material)」とは材料という意味です。
このインフォメーションの定義では分かりにくいので、補足説明をします。

インフォメーションとは、(絶えず移り変わる)現実を何らかの媒体に写し取ったものです。(※4)
紙であれば新聞や雑誌、電波であればテレビやラジオ、その他にも画像や(インターネットを含む)通信などです。

インテリジェンスは自分が何らかの判断をしたり、行動を取ったりするために必要な知識を意味します。
新聞や雑誌、テレビやラジオなどから自分に必要な情報(インフォメーション)を入手し、(※5)
それを自分の役に立つような形に整理した結果、その情報(インフォメーション)はインテリジェンスとなります。

例えば、プロ野球の試合を生(球場)で観戦したいとします。
ペナントレースの年間スケジュール表、移動手段を電車として時刻表、駅から球場までの地図などがインフォメーションです。
日程を確認して観戦予定日を決め、どの時刻の、どの電車に乗り、
駅からどのような道順を経れば球場にたどりつけるのか、をチェックすればインテリジェンスとなります。

年間スケジュール表も時刻表も地図も、それ単独では意味がありませんが、
プロ野球の試合を観戦するという目的があれば、
それらのインフォメーションをもとにして、インテリジェンス(判断・行動するために必要な知識)となります。

インフォメーションは素人にとってはそのまま使えない情報、つまり天気予報における「湿度」や「気圧配置」などのデータにあたる。
一方、インテリジェンスは何かの行動のために使うことのできる情報のことであり、それは天気予報における「明日の天気」にあたる。

『戦略原論 第11章 インテリジェンス―戦争と情報』 p.306 より引用 着色引用者

敢えて料理に例えれば、インフォメーション(情報)とは、産地から取ってきたままの野菜、魚、肉等の「料理の素材」であり、そのままでは必ずしも食するのに適さないものである。
これに対して、インテリジェンスとは、これらの素材が調理されて皿に盛り付けられ、「直ぐに食べられるまでに準備された料理」なのである。

『インテリジェンスの基礎理論』 p.15 より引用 着色引用者

インフォメーション(手段)をインテリジェンス(目的)に変換するためには、
明確な目的意識を持って情報を取捨選択する必要がある、ということですね。


今回のまとめです。
インフォメーションとは、(判断・行動するうえで)「それ単独では、直接的には自分の役に立たない情報・知識・資料等」を言います。
インテリジェンスとは、「複数のインフォメーションを集めて自分が判断・行動するうえで直接的に役に立つように整理した情報・知識・資料等」を言います。

インフォメーションと比較して、インテリジェンスを考えた場合、2つの特徴があります。
①インテリジェンスは、インフォメーションをもとにして生産されます。
②インテリジェンスは、判断・行動するために必要な知識を意味します。


注釈
※1 江畑謙介『情報と国家 収集・分析・評価の落とし穴』講談社現代新書 2004 p.16‐17 には、
『「情報」の種類を表す言葉を見ると、日本語には英語の「データ(data)」に相当する適当な言葉がない。
データとは細かく分かれた個々の現象や定量的な特性で、それだけではまだ何を意味するのか分からない種類の「情報」である。
データが集まると何らかの意味を持つようになる。 そのデータの種類も多くあるから、それらの種類ごとに集めて、いくつもの意味を持った「情報」を収集すると、次の段階である分析(解析)、評価(判断)が行えるようになる。
英語ではこの種類ごとの「情報」を「インフォメーション(information)」と呼ぶが、 (略) 日本語ではこの種類ごとの情報を、まず「情報」と呼ぶ場合が多い。
その情報を分析、評価すると、英語では「インテリジェンス(intelligence)」と呼ばれる形の情報となる。
この段階の情報に対する独自の日本語も、またインテリジェンスに対する適訳もない。』
との記述があります。

※2 北岡元『インテリジェンス入門[第2版] 利益を実現する知識の創造』慶應義塾大学出版会 2009 p.13 には、
「○インテリジェンスとは、インフォメーションから生産される。
○生産の工程は、インフォメーションの収集、加工、統合・分析・評価・解釈からなる。
○インテリジェンスとは、判断・行動するために必要な知識である。」
との記述があります。

※3 北岡元『前掲書』 p.4 には、
「インフォメーションとは、観察、報告、噂、画像および他のソースを含むあらゆる種類のマテリアルであって、未だ評価・加工されていないものである。」
との記述があります。

※4 同じく北岡元『前掲書』 p.4 には、
「つまり初めに絶えず変化を続ける現実があるのだが、その現実が文書や、言葉、画像等種々の形で写し取られて、観察や報告、噂等の形で伝達されていく。 それがインフォメーションである。」
との記述があります。

※5 インフォメーションは「素材情報」や「生情報」とも言います。
小林良樹『インテリジェンスの基礎理論』立花書房 2011 p.15


参考
石津朋之・永末聡・塚本勝也『戦略原論 軍事と平和のグランド・ストラテジー』日本経済新聞出版社、2010
江畑謙介『情報と国家 収集・分析・評価の落とし穴』講談社現代新書、2004
北岡元『インテリジェンス入門[第2版] 利益を実現する知識の創造』慶應義塾大学出版会、2009
小林良樹『インテリジェンスの基礎理論』立花書房、2011

「インフォメーション」と「インテリジェンス」の違い
インテリジェンスとは何か
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ジャンル : 政治・経済

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2015年1月4日,プロフィール更新

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